ゲルソン療法(玄米菜食主義)は進行性癌には歯が立たない 2020年09月01日

インターネットで、内分泌(ホルモン)療法をして前立腺がんが治った方の記事を読むと、多くの方が、ゲルソン療法という食事療法をしておられる。例えばゲルソン療法を実施して前立腺がんが劇的に治った人として渡邉勇四郎医師がおられ、本も出している(「ゲルソン療法でがんを消した人に再発はない」ATパブリケーション)。ほかに癌克人さん時遊旅さんがおられる。

星野医師がゲルソン療法を日本人向けに改良した星野式ゲルソン療法もある。それをさらに改良した済陽高穂医師の済陽式というのもある。

しかし最近になって、ゲルソン療法に批判的な医師、栄養士が出てこられた。例えば荒木裕医師、福田一典医師、古川健司医師・・・。

ここで古川健司著「ケトン食ががんを消す」(光文社)を参照すると、ゲルソン療法の問題点が浮き彫りにされている(同著の112頁から129頁)。つまりゲルソン療法は再発や予防を目的としては確かに有効だが、すでにがんが進行している場合、正常細胞だけでなくがん細胞も元気にする要因が入っているというのである。例えばゲルソン療法が勧めている玄米は、GI値はやや低いものの、白米と比べて糖質の含有量に大差ない。果物・野菜ジュースを大量に飲むことが勧められているが、ビタミンやミネラルの補給にはよいかもしれないが、糖質の摂取過多になること、など。

私も古川医師にまったく同感で、ゲルソン療法をすると「糖質過剰摂取」、「高炭水化物食」になるというのが一番の問題であると思う。例えば人参ジュースを毎日1.5L飲むと、人参が毎日1kg必要であり、これだけで65gの糖質になる。2019年12月14日の日記に書いたように、一時、玄米や全粒粉麺を摂り入れたことがあるが、排尿感が悪化してきたため中止した経験がある。もしあのまま、ゲルソン療法を信じて玄米食を続けていたら、いまのPSAの低値はなかったかもしれない。

では、ホルモン療法をして前立腺がんが治った方々は、なぜ、ゲルソン療法を採用したのか? 私なりに推測すると、インターネットでいま有名になっているこれらの方々の発病時期は、いまから10年以上前であり、そのころのがんの食事療法はゲルソン療法しか知られていなかったから。

ゲルソン療法で成功した人ばかりインターネットでもてはやされているが、三谷文夫さんのようにゲルソン療法を忠実にやって、最初持ちこたえたが、最後、前立腺がんが増悪してしまった方もいる。実際の成功率はもっと低いかもしれない。

現在、新しい食事療法が提案されている。荒木裕医師の「断糖食」、福田一典医師の「ケトン食」、古川健司、萩原圭祐各医師の「免疫ケトン食」など。これらの療法は、糖質を制限してがんを退治するという点で共通している。江部康二医師の糖尿病患者向け「糖質制限食」もあり、その内容はケトン食とほぼ同じである。

古川健司著「ケトン食ががんを消す」や同著「ビタミンDとケトン食」に載っている臨床例を参照すると、少なくともゲルソン療法よりもずっと高い確率で、がん治療に成功しているようにみえる。

最新の情報として「免疫栄養ケトン食チャンネル【古川健司公式】」

https://www.youtube.com/channel/UCq2wPM7moZWlA8H9urxRMDg?app=desktop

では、私のやっている食事療法とはいったいどこに入るのか? というと、一日におそらく糖質50〜60gくらい摂取しているから、古川健司医師のケトン食のなかでは「ケトジェニック」、江部康二医師の糖質制限食のなかでは「スーパー糖質制限」の部類に入るかなと思う。ほんとうは糖質一日20〜30gという「治療レベル」にもっていくべきかもしれないが、これをするには、やはり経験のある栄養士の指導を受けたほうがよいと思う。しかし、そのような機関が関西に見当たらないので、私はすこし緩めて、自己流でやっている。発病からここまで無事にやってこれたのだから、今のところこれで良しとしている。


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