リコピンは再発、再燃がんにも効く 2020年10月27日

リコピンと言う人もあり、リコペンと言う人もある。Lycopeneをローマ字読みすればリコペンだが、英語圏の人の発音を聞くと「ライカピン」と聞こえる。ここではリコピンと言うことにする。

最近よくアクセスするプラス免疫編集部のサイト「免疫療法のすべて」の「がんに効く食べ物とは?」に「トマト」の項があり、そこを読むとトマトと前立腺がんとの関係を調査した結果が載っている。

米デトロイトのカルマノス・ガン研究所内科・腫瘍学科のオマール・クチューク教授が2004年11月26日、都内で開催されたセミナー「リコピンと21世紀の健康」(主催:イスラエルのライコレッド社)で、研究結果を公表した。

研究結果を解説した文献(日経メディカル)に当たってみた。

https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/346920.html

「前立腺癌の再発患者70人を2群に分け、一方(37人)に1日にリコピン15mgを主成分とするサプリメントを、もう一方(33人)は同じリコピン15mgを含むサプリメントと大豆イソフラボン40mgを6カ月間投与した。

リコピン主体のサプリメントをのんだ群は、前立腺癌の指標となるPSA(前立腺特異抗原)値の上昇が有意(P=0.003)に抑えられていた。大豆イソフラボン併用群でもPSA値の上昇抑制傾向が見られたが、有意ではなかった(P=0.25)。

70人のうち、内分泌療法が無効となったホルモン耐性前立腺癌の25人で結果を分析しても結果は同様だった。リコピンを主体にしたサプリメント投与群は、PSA値の上昇を有意に抑えた(P=0.025)。『内分泌療法が使えない患者(再燃がん)にもリコピンはプラスに働く』(クチューク教授)ようだ。」

つぎに、前立腺がん診療ガイドライン(2016年版)の「大豆,緑茶,トマト等に含まれる機能因子は前立腺癌の予防に関与するか?」(p.30)のリコピンに関連した部分をコピペする。

「4.リコペン

リコペンはトマトに最も多く含まれる赤い色素で,抗酸化作用が強いとされている。トマトソースを週に2回以上摂取した群では前立腺癌の発症が有意に抑えられていたのに対し,野菜のトマトでは差がなかった 。2004 年のメタアナリシスでは,トマトの消費と前立腺癌のリスクには少ないながらも関連があるとされた 。49,898 例を対象に 1986 〜 2010 年に経過観察した結果では,リコペンの摂取量が多いと致死的な前立腺癌のリスクが減弱していた 。理由として血管新生を抑制した結果と考えられた。また,最近のメタアナリシスでも,リコペンの摂取量が多いと前立腺癌の発症のリスクを減らす傾向にあるとされ ,リコペンに関しては前立腺癌を抑制する傾向があるとする報告が多い。」

クチューク教授の研究結果、 前立腺がん診療ガイドラインの解説、どちらもトマト・リコピンが前立腺がんに対して抑制する方向に働くことを論じている。とくに、リコピンは再発がん、再燃がんにも効く、というのがうれしい。

リコピンの効率の良い摂取方法は何か、調べてみると、一般社団法人全国トマト工業会のサイトに次のような文章があった。

「リコピンを上手にとるには

リコピンをはじめとするカロテノイドの吸収性ですが、生野菜からは非常に低く、同じ量を摂取したとしても、生のトマトより加工品の方が2~3倍もリコピンを吸収しやすいことが明らかにされています。また、油を使った料理でも比較的熱に強い性質を持っているリコピンの吸収性は高まるのです。リコピンを効率的かつ十分にとるには生のトマトだけに頼らず、トマト加工品を利用するのが賢い方法と言えそうですね。」

トマト加工品とは、同サイトによると、トマトジュース、トマトケチャップ、トマトソース、トマトピューレ、トマトペースト、固形トマト(ホールトマト)だそうである。ただし、含まれる糖質には気をつけないといけない。

私もホールトマト缶を使った地中海風ミネストローネを作ってみよう♪ このごろ地中海料理にハマっている。

リコピンのサプリメント


トマトジュース








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