Singh先生とのオンライン面談 2024年09月11日

「調子はいかがですか?」

「良好です。赤血球が増えて、肌や爪の色がよくなりました」

「確かに血液データは改善されています。それは骨髄に巣食っていたがんが減ったからでしょう。またリンパ節への集積も減っています。ただ、骨の外皮の部分に新しい集積がみられます。PSAが少しずつ上がっているのはそのせいです。つまり、よい傾向と悪い傾向とが混在しているといえます。そこで、いまのルテチウムLuでなく、テルビウムTb-161というもっと強力な治療薬に変更することをおすすめします。これはルテチウムと同じベータ線を出す薬ですが、飛程の短いオージェ電子も出すのでより強力です。私としてはこれがよい戦略だと思います」

「了解しました」

テルビウム161 半減期6.9日

「ただテルビウムはオーストラリアのパースでのみ治療可能です。9月24日にパースに来て下さい。」

パースとなると、日本からの直通便はなく乗り継ぎになる? 病院はパースのマードックというエリアにあるGenesis Care Cancer Treatment Centreだそうだ。

「わかりました。この病院で入院することはありますか?」

「入院はありません。あと、アクチニウムAcについてはロシアの軍事侵攻で供給が止まっていたのですが、また再開するという話がありますのでアクチニウムも将来の候補になります。また、テルビウム治療が終わったあと、経口ホルモン剤の併用も検討しましょう。ダロルタミドがおすすめです」

PSAがじわりと上がってきているので不安だったが、このSingh先生の話しを聞いて、少しほっとした。



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