ゾーフィゴの国際共同臨床試験結果 2022年12月30日

これから6ヶ月間、ゾーフィゴのお世話になるので、ゾーフィゴの臨床試験(国際共同第III相臨床試験(ALSYMPCA))の結果を調べてみた。

バイエル薬品のホームページから取得した。

https://www.xofigo.jp/doctor/product/performance

同ホームページによれば、「ゾーフィゴは、カルシウム類似体として骨代謝の亢進した骨転移部位に取り込まれ、高エネルギーのアルファ線により腫瘍細胞のDNA二重鎖を切断します。また、アルファ線の組織内飛程は100μm(およそ細胞10個分)未満であり、周辺組織に対する放射線量は限定的です。症候性骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国際共同第III相臨床試験(ALSYMPCA試験)において、ゾーフィゴは、プラセボと比較し、全生存期間、症候性骨関連事象発現までの期間を有意に延長しました。」とある。

国際共同第III相臨床試験(ALSYMPCA)2008年6月~2011年7月

患者背景:骨転移を有する症候性の去勢抵抗性前立腺癌患者が対象。ビスホスホネート併用あり/なし、ドセタキセル治療歴あり/なしを含む。人種は白人、全登録患者921例(ゾーフィゴ群614例、プラセボ群307例)。骨転移巣数に応じて次のように割り当てた。

1.(骨転移巣6個未満) ゾーフィゴ群101人(16.5%) プラセボ群38人(12.4%)

2.(骨転移巣6-20個) ゾーフィゴ群258(42.2) プラセボ群146(47.7)

3.(骨転移巣20個超) ゾーフィゴ群198(32.4) プラセボ群92(30.1)

4.(スーパースキャン*) ゾーフィゴ群54(8.8) プラセボ群30(9.8)

*)スーパースキャンとは、全身骨への集積が増加した状態をいう。

このように患者は、骨転移巣数が6個未満からスーパースキャンまで広範囲にわたっている。

投与方法:

ゾーフィゴ群:ゾーフィゴを4週毎に6回静脈内投与+標準的治療**)

プラセボ群:生理食塩水を4週毎に6回静脈内投与+標準的治療

**)標準的治療とは、局所の放射線照射、ステロイド剤、抗アンドロゲン剤、エストロゲン剤等をいう。

観察期間は約3年。

試験の結果、全生存期間(OS)の中央値は、ゾーフィゴ群で14.9ヵ月、プラセボ群で11.3ヵ月であった。このようにOSに有意な差が出た。症候性骨関連事象(SSE)***)発現までの期間も、中央値はゾーフィゴ群で15.6ヵ月、プラセボ群で8.1ヵ月であった。

***)SSEとは、以下のいずれかに該当する場合。骨症状緩和のための外部照射の使用/新たな症候性の病的骨折(椎骨又は非椎骨)の発現/脊髄圧迫の発現/骨転移に対する整形外科的処置。

私が特に知りたいのは、骨転移巣6個未満の患者のその後の推移である。

骨転移巣6個未満の患者に限れば、ゾーフィゴ群とプラセボ群でOSに差はなかった(ハザード比=0.98)。これは骨転移巣6個未満の患者は、標準的治療を続けていれば3年以内で病状が悪化し死に至ることはないという意味か。

骨転移巣6個未満の患者の骨関連事象発現までの期間を知りたかったが、載っていなかった。

結局、国際共同第III相臨床試験(ALSYMPCA)の結果からでは、骨転移6個未満からスーパースキャンまで広範囲にわたる患者の平均的な結果しか伺えず、あまり参考にならなかった。

治ると信じて、自分が実験台になるしかなさそうだ。


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